今日はヒルビリーバップスのヴォーカリストだった宮城君の命日です。
1988年3月29日…30年たちます。
毎年外を歩いている時、道に椿の花が落ちているこの季節になるとどうしても思い出してしまいます。
宮城君
元々はバービーボーイズのファンであり、キティレコードの事務所で会報を作ったりリクエストハガキを書いたりしていました。
ライブとなればかなり遠方までついて行ったりしていましたが、「彼らの弟分みたいな感じ」だと事務所の人から言われライブを見る機会も増えていました。
ロカビリーバンドという、あまり聴かない分野の音楽という事だったのですが、実際にはロカビリーという感じではなく
Summer Boy
チャイナタウンでつかまえて
夢見る頃を過ぎても
My only one
など、好きな曲もいっぱいできました。
1988年3月28日、満員の「新宿パワーステーション」でのライブの翌日、何も残さず自宅近く12階から飛び降り亡くなりました。
23歳です。
最初に聞いた時は「えっなんで?どうして?」…それだけでした。
いい曲もいっぱいある。
たくさんのバンドからも、ファンからも愛されている。
5月5日の日比谷野外音楽堂の追悼ライブには、たくさんのバンドと入りきれないぐらいのファンが集まりました。
そしてスタッフの人にも愛されていました。
「バービーボーイズの弟分みたいなものだから、彼らの事も応援してよ!」
最初事務所の人にそう言われました。
その言い方は営業的なものではなく、愛のあるものだったのは間違いありません。
私は「今もこの日だけは彼らの音楽を聴いたり、DVDを見たりして過ごす…」
そんな人たちのような、そこまで熱狂的なファンだったわけではないのです。
それでも毎年、多分一生この季節には必ず思い出すのだろうと思います。
春になると…椿の花がポトッと落ちて…
亡くなる前の…
インタビューだか雑誌だかそれすらもよく覚えてはいないのですが、その言葉が今も記憶に残っています。
椿
小さい頃からよく目にしていた花で、美しいと思う反面ゾッとするところのある特別な花でした。
子供の頃住んでいた家のそばに椿の木がありました。
椿(カメリア)…
シャネルのアイコンとしても使用されている華やかで気品のある花、美しいです。
子供の頃は階段に座ってよく見ていました。
普通花は花びらが散ったり、茶色くなって美しい時を終えたり、そんな人生を全うした感があるものです。
ところがこの椿という花、美しいのですが実に不気味な花で…
キレイだなと思ってみている前で、おもむろに花首から地面にポトッと落ちるのです。
縁起が悪いとも言われていますが、女性の生き方としては少し憧れるようなところもあります。
今住んでいるところの近所にも、かなり大きくてキレイな椿が咲いていますが、やはり木の下にはキレイなままの花がいくつも落ちています。
キレイだなと思う。
私がドライフラワーというものを好きになれないのは、そんな理由からなのだと思います。
自分が花だったらあの姿は幸せではなく苦痛、早く自然に帰して欲しいと願うだろうと思うのです。
色々な意味で、とても思い入れの強い花です。
宮城君と椿
毎年この時期椿を見ると、宮城君を思い出します。
熱狂的なファンだったわけでもないのに、気が付くと鼻歌を歌っていたり、当時好きだった色々なバンドの事を思い出したりもします。
その頃は、あり得ないほど豪華な面子が集まったイベントなどもたくさんありました。
勇気ある子供たちが時代を作る
OH! HEADZ(?)など
訳のわからない情熱で、とにかく毎日動き回っていた楽しさと
少しさびしい思いと…
3月は、全力で音楽に関わっていた頃の事を思い出す大切な月です。
心から、ご冥福をお祈りいたします。